「床を歩くとギシギシと音が鳴るようになった」
「家のまわりで羽アリを見かけた気がする」
そんな小さな変化に、ふと不安を覚えたことはありませんか?
シロアリの被害は、目に見えないところで静かに進行します。気づいたときには家の柱や床がスカスカになっていた、というケースも珍しくありません。
シロアリの駆除はやや高額に感じる出費ですが、被害が広がるほど修繕費はふくらみます。早めに状況を把握し、適切な対処をすることが、結果的に経済的な選択肢です。
この記事では、シロアリが家に与える被害や駆除が必要な家・必要ない家の特徴、費用相場などを詳しく解説します。
おすすめ業者、自分でできる予防策なども紹介するので、シロアリ対策の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
シロアリが家に与える被害

シロアリは木材を内部から食い荒らすため、外見からは被害に気づきにくいのが特徴です。
そのため、被害が明らかになったときには、すでに時遅しだった…なんてことも珍しくありません。
では、シロアリ被害が進行すると、具体的にどのようなリスクが生じるのでしょうか。
- 床がきしむ・抜け落ちる
- 建具の開閉がスムーズにいかなくなる
- 壁紙や床にシミ・ふくらみが生じる
- 地震や強風時に倒壊するリスクが高まる
- 建物の資産価値が大きく下がる
シロアリ被害の内容は、簡単な修繕ですむ内容から家そのものが傾きかけるほどの規模まで、多岐に渡ります。
被害を最小限に抑えるためにも、早めの対策が大切です。
シロアリ駆除が必要ない家もある?
シロアリはすべての家にも被害をもたらすとは限りません。建物の状態や構造によっては、駆除の優先度が低い家もあります。
代表的な例を、見ていきましょう。
- 築5年以内の家
- 通気性に優れた家
- 対蟻性素材の家
これらの状態にあてはまる家であれば、シロアリの心配はそれほどありません。ただしいずれの場合も100%安心とは言い切れないため、異変や違和感を見つけたら、すぐに専門家に相談したほうが安心です。
コンクリート造の家でも注意!
「うちはコンクリート造だから、シロアリ被害とは無縁」と考えている方も多いかもしれません。
たしかにシロアリはコンクリートを餌にはしません。しかし、コンクリートのひび割れや配管の隙間などを通り抜けて、内部の木材(床材・建具・下地材など)にたどり着いてしまうことがあります。
コンクリート造であっても、内装に木材が使われていればシロアリ被害は発生し得ます。マンションや鉄筋コンクリート住宅でも、定期的な点検を行うようにしましょう。
シロアリの種類とクロアリとの見分け方

日本国内で住宅に被害を与えるシロアリは、主に「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類です。それぞれの特徴を、表で確認してみましょう。
| 項目 | ヤマトシロアリ | イエシロアリ |
| 生息地域 | ほぼ日本全土 | 関東以南の温暖な地域 |
| 巣の特徴 | 巣を持たず、加害箇所が巣を兼ねる | 大きな巣を作り、そこから広範囲に活動 |
| 被害範囲 | 局所的な被害が中心 | 広範囲かつ深刻な被害になりやすい |
| 好む環境 | 湿った木材 | 乾いた木材も食害する |
| 羽アリの発生時期 | 4〜5月の昼間 | 6〜7月の夕方〜夜 |
| 体色(羽アリ) | 黒褐色 | 黄褐色 |
両者とも家屋に深刻な被害をもたらす点は共通しており、専門家でないと正確な見分けは難しいのが実情です。「白っぽいアリを見かけた」「家の中で羽アリを見つけた」と感じたら、シロアリの可能性を疑い、業者に相談したほうがよいでしょう。
また、シロアリとよく間違えられるのが、クロアリの羽アリです。シロアリの羽アリは胴体が黒っぽい種類もいるため、見た目だけでは判断が難しいこともあります。

判断に迷う場合は、見つけた羽アリを写真に撮っておき、業者に見せて確認してもらうとよいでしょう。
シロアリ駆除が必要になる時期
シロアリ駆除は、定期的に行うのが基本です。一度駆除や予防をしたからといって、永続的に効果が続くわけではありません。
ここからは、駆除を検討すべきタイミングを見ていきましょう。
基本は薬剤散布から5年後
一般的なシロアリ駆除に使用される薬剤の効果は、約5年とされています。これは公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する駆除剤の有効期限が、5年であることが理由です。
そのため、前回の薬剤散布から5年が経過したタイミングで、再度駆除や予防処理を検討するのが基本となります。
なお、薬剤の中にはホウ酸を使ったタイプもあり、こちらは10年効果が続くとうたう業者もいます。ホウ酸は自然分解されにくく、長期的な防蟻効果が期待できます。
ただし湿気や水分には弱いという性質も併せ持っているため、住まいの環境(床下の湿度、雨漏りの有無など)によっては期待した効果が得られない場合もあります。
家の木材の傷み・軋みを感じたら要注意!
5年という目安に関係なく、床を歩くとギシギシと音が鳴ったりふわふわと沈む感覚があったりする場合も、シロアリ被害をうたがったほうがよいでしょう。こうした症状は、シロアリが内部の木材を食害しているサインかもしれません。
住まいに気になる変化があれば、早めに専門業者へ調査を依頼しましょう。多くの業者は無料調査を行っているので、気軽に相談してみてください。
シロアリ駆除の方法と費用相場
シロアリ駆除には、大きく分けて「ベイト工法」と「バリア工法」の2つの方法があります。
ベイト工法とは、毒餌(ベイト剤)を仕掛ける方法です。餌の即効性は低く、数週間から数か月かけてゆっくり効いていきます。
すぐに効果が出ない分、巣全体に毒餌を運ばせることができ、シロアリを丸ごと駆除できます。

また、薬剤の刺激が少ないため、ペットや小さな子どもがいる家庭にも選ばれている方法です。
もう片方のバリア工法とは、床下や木材に薬剤を散布・注入する方法です。即効性が高く、薬に触れたアリをその場で駆除できます。

費用相場はベイト工法よりも安く設定されている場合がほとんどです。すぐに被害を抑えたい家や、費用負担を軽くしたい家におすすめの方法です。
自分で薬剤を撒く
被害が軽微な場合や、予防目的であれば自分で薬剤を撒いて対処することも可能です。ホームセンターやインターネット通販で、家庭用のシロアリ駆除剤・予防剤が販売されています。
ただし、自分で施工するには次のような注意点があります。
- 床下に潜って作業をするため、安全対策が必要
- 薬剤の取り扱いには知識が必要(換気・防護具の使用など)
- 巣の場所を特定できないと、根本的な駆除は難しい
- 効果が部分的になりやすく、再発リスクが高い
根本的な駆除を目指すなら、業者への依頼を検討しましょう。
自分で薬剤を撒く場合の費用相場
自分でシロアリ対策を行う場合の費用は、購入する薬剤や道具によって変動します。一般的な目安としては、駆除剤のほかに防具服やマスクなどの費用も含めると約1〜3万円ほどが費用相場となります。
業者依頼に比べて費用は大幅に抑えられますが、施工の精度や持続効果は専門業者には及ばないことを理解しておきましょう。
シロアリ駆除業者に依頼する
確実にシロアリを駆除したい場合は、専門業者への依頼がもっとも安心です。プロは床下の状況を細かく調査し、被害状況に応じた適切な工法を提案してくれます。
また、プロに依頼することで次のメリットも得られます。
- 巣の特定から駆除までを一貫して行ってもらえる
- 5〜10年程度の保証がつく業者が多い
- 万が一再発した場合の補償制度がある業者もある
- 薬剤の選定や施工方法をプロが判断してくれる
施工後も定期点検を行ってくれる業者を選ぶことで、長期的に安心して暮らせる環境を整えられるでしょう。
シロアリ駆除業者に依頼した場合の費用相場
業者に依頼する場合の費用は、住宅の広さや工法、被害の程度によって変動します。30坪程度の一戸建ての一般的な相場は、次のとおりです。
| 項目 | 費用相場 |
| 1㎡あたりの単価 | 1,150〜3,000円程度 |
| ベイト工法を選んだ場合 | 約25〜30万円 |
| バリア工法を選んだ場合 | 約12〜25万円 |
| 点検口の追加設置 | 2〜5万円 |
費用に幅があるため、複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。料金だけでなく、保証内容や施工実績、アフターフォローも含めて総合的に比較しましょう。
シロアリ駆除で活用できる補助金制度はある?

「高額なシロアリ駆除費用を、補助金でまかなえないだろうか?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかしシロアリ駆除そのものを対象にした補助金は、ほとんどありません。一部の自治体では害虫駆除補助金の対象としてシロアリを含めているケースもありますが、全国的にはごく少数です。
ただし、次のような形で費用負担を軽減できる場合があります。
【耐震リフォーム補助金との併用】
シロアリ被害により基礎や床下の耐震性が低下し、耐震改修工事を行う場合、耐震リフォーム補助金が利用できる可能性があります。
【確定申告での雑損控除】
シロアリの「駆除」にかかった費用は、雑損控除として所得から差し引くことが可能です(予防目的の費用は対象外)。
【火災保険の適用】
台風や大雪などの自然災害が原因でシロアリ被害が発生したと証明できる場合、火災保険が適用されるケースもあります。
自治体へ相談する場合の窓口
お住まいの地域でシロアリ駆除に関する補助金や支援制度があるかどうかは、自治体の窓口に直接問い合わせてみてください。問い合わせ先の例は、以下のとおりです。
- 市区町村役所の「環境衛生課」「住宅政策課」「建築指導課」
- 地域の保健所
- 自治体公式ホームページの「補助金・助成金」ページ
シロアリ駆除におすすめの業者
シロアリ駆除はプロに依頼したほうが安心です。効果的に薬剤を散布し、短時間の施工でシロアリ駆除を実現できます。
ここからは、シロアリ駆除を依頼できるおすすめの業者を4社、紹介します。それぞれの特徴を比較し、自分の住まいに合った業者を選んでみてください。
cats(キャッツ)

| 価格目安 | 880円〜/㎡ |
| 対応エリア | 北海道・東北・関東・中部地方 |
| アフターフォローの内容 | 定期点検0円(年1回)再発5年保証 |
| 無料調査の有無 | 有 |
cats(キャッツ)は、1975年創業の老舗シロアリ駆除業者です。50年近い歴史で培われた豊富な実績があり、家屋の状態に応じた適切な駆除プランを提案してくれます。
事前に建物の構造をしっかりチェックしてから施工に入るため、ムダな施工が発生しにくく、安心して任せられるのも、この会社の魅力です。再発5年保証や年1回の定期点検が無料で付いており、施工後も長く見守ってもらえる体制が整っています。
業界最安級の価格設定でありながら、品質と保証を両立している点が、catsの強みといえるでしょう。
MACHIKADO


| 価格目安 | 1,100円/㎡〜 |
| 対応エリア | 関東・北陸・関西 |
| アフターフォローの内容 | 5年間の効果保証3年後に無料点検 |
| 無料調査の有無 | 有(巣の所在不明の場合は調査費用が発生する可能性あり) |
MACHIKADOは、最短30分以内に駆けつけてくれるスピード感が魅力の業者です。「今羽アリを見つけてしまった」「とにかく早く対処したい」という緊急時に頼りになる存在といえます。
価格交渉にも柔軟に対応しており、他社よりも見積もりが高額な場合は相談に乗ってもらえる点も嬉しいポイントです。価格と対応スピードのバランスが取れた、良心的な業者といえるでしょう。
ただし、巣の所在が不明な場合には調査費用が発生する可能性があるため、事前に料金体系を確認しておくと安心です。

株式会社 雨宮


| 価格目安 | 1650円/㎡〜 |
| 対応エリア | 関東エリア・中部エリア・近畿エリア(滋賀県のみ) |
| アフターフォローの内容 | 5年間の効果保証無料診断(2回まで)万一の損害に最大500万円の復旧保証 |
| 無料調査の有無 | 有 |
株式会社雨宮は、創業50年以上の信頼と実績を持つ業者です。これまでの依頼件数は60万件を超え、大手不動産会社や住宅会社の建物検査も手がけてきたノウハウが強みとなっています。
シロアリ駆除だけでなく、リフォームや不動産活用など、住宅の総合的なメンテナンスにも対応してくれる点も、雨宮ならではの魅力。住まいの状況にあわせた長期的なアドバイスを受けられるため、シロアリ駆除に留まらず家全体のコンディションを整えたい方に向いています。
国土交通省管轄の公益社団法人日本しろあり対策協会に加入しており、専門性と安心感の両面で信頼できる業者といえるでしょう。

ジャパン・アット・レスキュー

| 価格目安 | 1,200円/㎡〜 |
| 対応エリア | 関東・東海・関西・九州の一部エリア |
| アフターフォローの内容 | 最長10年保証 |
| 無料調査の有無 | 有 |
ジャパン・アット・レスキューは、シロアリ駆除だけでなく、害獣対策にも対応している総合害虫・害獣駆除業者です。年間5,200件以上の施工実績があり、豊富なノウハウを蓄積しています。
施工はすべて自社スタッフが対応するため、施工品質が安定している点も大きな魅力です。下請け業者への外注がないことで、責任の所在が明確になり、安心して依頼できます。
さらに、最長10年保証という長期のアフターフォローもあり、施工後の不安を抱えずに過ごせるのも嬉しいポイント。長期的に住まいを守りたい方に、おすすめの業者です。
シロアリの予防策

シロアリは駆除したらそれで終わりではなく、今後も住まいを守るためにはシロアリ被害を防ぐための策が欠かせません。
ここからはシロアリの再発を避けるための予防策について、解説します。
木材を家の周りに置かない
シロアリは木材を餌にするため、家の周辺に木材があると、それを足がかりに住宅へ侵入する可能性があります。
家の周りに放置された薪や廃材などは置かないようにしましょう。また、ウッドデッキ木製フェンスなども、シロアリの餌となります。定期的に防アリ塗装を行うなど、シロアリがやってくるのを防ぐように対策を講じましょう。
基礎・床下の湿気を除去する
湿気はシロアリを呼び寄せる最大の要因です。床下や基礎まわりが常に湿った状態だと、シロアリにとって理想的な住処になってしまいます。
床下の換気口を物で塞いだり、外構の排水が詰まったりしていないかチェックし、基礎・床下の通気性を維持できる状態であることを確認しておきましょう。
水漏れを放置しない
洗面所やキッチン、お風呂場などの配管から水が漏れていると、その周辺の木材が湿気を含み、シロアリにとって格好の侵入場所になってしまいます。
シロアリを防ぐためにも、水漏れを発見したらすぐに修理を依頼しましょう。「ちょっとしたシミだから」「あとで直そう」と放置していると、見えない場所でシロアリ被害が進行している可能性があります。
定期点検を行う
シロアリ被害は、早期発見が何より大切です。被害が小さいうちに対処できれば、駆除費用も補修費用も最小限に抑えられます。
年に1回は、次のポイントを自分でチェックしてみましょう。
- 床下や畳の下に蟻道(土でできた筋)がないか
- 柱や壁を叩いたときに、空洞のような音がしないか
- 床がきしんだり、沈んだりする箇所がないか
- 春〜夏に羽アリを見かけることがあるか
自己点検が難しい場合や、気になる症状がある場合は、業者の無料調査を活用するのもおすすめです。多くの業者が床下調査を無料で実施しているので、気軽に依頼してみてください。
まとめ
シロアリの被害を防ぐためには、早めの気づきと対策が肝心です。
本記事で紹介したように、駆除には「ベイト工法」と「バリア工法」があり、費用相場や保証内容は業者によって幅があります。
いずれの場合も決して安い買い物ではないため、慎重な検討が欠かせません。
迷ったときは、自分で情報を集めるだけでなく、無料調査を行っている業者に相談してみるのもひとつの手です。プロの目で診断してもらうことで、住まいの本当の状態が見えてきます。
後悔のない選択ができるよう、まずは最初の一歩から始めてみてください。

