「太陽光パネルを設置したいけど、初期費用が高くて踏み出せない」「東京都で使える補助金があると聞いたけど、自分は対象になるの?」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。実は東京都には、太陽光パネルの設置にかかる費用を大幅に抑えられる補助金制度がいくつも用意されています。しかし制度の種類が多く、「どれが自分に合うのか分からない」と感じてしまうこともあるでしょう。
この記事では、2026年度(令和8年度)の最新情報をもとに、東京都の太陽光の補助金制度をわかりやすく解説します。損なく活用するためのポイントも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
東京都の太陽光発電・蓄電池設置に関する補助金制度

東京都には、太陽光パネルに関する補助金制度が複数あります。都の制度同士は併用できないものがほとんどのため、まずは自分がどのパターンに当てはまるかを確認し、ベストな補助金制度はどれかチェックしておきましょう。
それでは、それぞれの制度を詳しく見ていきましょう。
今の家に太陽光パネルを新設予定の人向け
家庭における太陽光発電導入促進事業
今お住まいの東京都の住宅(既存住宅)に太陽光パネルを設置する場合は、「家庭における太陽光発電導入促進事業」が基本となります。
対象者
対象者は、都内の住宅(またはその敷地内)に太陽光発電システムを所有する個人・法人です。都内に住んでいれば、対象条件はクリアとなります。
条件
補助金制度の申請条件は以下の通りです。
- 未使用品であること
- 都内の住宅に新規設置されること
- システムの発電出力が50kW未満であること
- 発電した電力を居住部分で使用すること
- 定められた認証を受けたモジュールを使用すること
- 電力会社と余剰買取契約を締結すること(全量売電は対象外)
発電した電気はあくまで自宅で使うことが前提で、すべてを電力会社に売る契約は補助の対象になりません。太陽光をビジネス・副業目的で取り入れる予定の方は、注意しましょう。
補助金額
庭における太陽光発電導入促進事業における補助金額は以下のとおりです。
- 3.75kW以下: 15万円/kW(上限45万円)
- 3.75kW超〜50kW未満: 12万円/kW
出力が小さいほうがkWごとに受け取れる補助金額が大きくなっています。なお、戸建ての屋根に設置するシステムは3〜5kW程度が一般的です。
さらに条件によっては、以下の上乗せ補助も受けられます。
- 陸屋根への架台設置: 集合住宅や既存戸建の場合、最大20万円/kW
- 防水工事(既存の陸屋根): 18万円/kW
- 機能性PV(高機能パネル): 都市部の狭い屋根に適したパネルなどを採用した場合、最大10万円/kWを加算
防水工事はいずれ必要になる可能性の高い工事です。太陽光パネル設置の時点で実施し、補助金を多く受け取ったほうがお得かもしれません。
【ポイント!】陸屋根(りくやね)って何?
傾斜のない、平らな屋根のことです。一般的な三角形の屋根に比べ、パネルを設置する際に架台(支え)が必要になるため、その費用も補助対象になっています。
これから新築を建て、そこに太陽光パネルを設置予定の人向け

新築住宅を建てて太陽光パネルを設置する場合は、住宅の性能(省エネ性能)によって使える制度が異なります。
東京ゼロエミ住宅普及促進事業(高性能な新築の場合)
「東京ゼロエミ住宅」とは、東京都が定めた高い省エネ基準を満たした住宅のことです。この認定を受けた新築住宅にパネルを設置する場合、専用の補助が受けられます。
対象者
この制度を申請できる対象者は、都内に「東京ゼロエミ住宅」を新築する建築主(個人・事業者)です。もしくは、当該住宅に設備を貸与するリース事業者も対象となります。
条件
- 都が登録する認証審査機関により「東京ゼロエミ住宅」の設計確認・認証を受けた新築住宅であること。
- 床面積の合計が2,000㎡未満であること。
- 太陽光パネルは未使用品(新品)で、発電出力の合計が50kW未満であること。
この制度を使うには、まず「東京ゼロエミ住宅」の認定を受けることが前提です。認定には都が指定する審査機関による確認が必要になります。
家づくりを依頼するハウスメーカーや工務店にその旨をつたえ、審査機関への確認申請を依頼しておきましょう。認定の手続きは、施工会社が代行してくれます。
補助金額
- 〜3.6kW: 12万円/kW(上限36万円)
- 3.6kW超〜50kW未満: 10万円/kW
※オール電化の場合は、単価がそれぞれ1万円/kWアップ
既存住宅向けと比べると、新築で建てる場合の太陽光発電設置は、補助単価は少し低めです。しかしオール電化住宅なら1万円/kWが上乗せされます。
また、太陽光パネルとは別に、住宅本体の省エネ性能に応じた補助(最大240万円/戸※戸建ての場合)も受けられる点が、この制度ならではの大きなメリットです。
さらに、陸屋根に架台を設置する場合は、設置経費が加算されます。金額は20万円/kWが上限です。
家庭における太陽光発電導入促進事業(標準的な新築の場合)
東京ゼロエミ住宅の認定を受けない、一般的な新築住宅の場合は、既存住宅に設置する場合と同じ制度である「家庭における太陽光発電導入促進事業」が対象となります。
対象者
対象者は、東京都内に住宅を建てる個人、もしくは法人です。太陽光発電機器をリースする事業者も対象となります。
条件
- 都内の住宅(またはその敷地内)に新規設置されること
- 未使用品であること
- 発電した電力を居住部分で使用すること
- JET認証またはIEC認証を受けたモジュールを使用すること
- システムの発電出力が50kW未満であること
既存住宅向けの制度と基本的な条件は同じです。「新品であること」「発電した電気は自宅で使うこと」という点は変わらず、新築ならではの特別な申請手続きは特にありません。
補助金額
- 3.6kW以下: 12万円/kW(上限36万円)
- 3.6kW超〜50kW未満: 10万円/kW
※新築かつオール電化の場合は、単価がそれぞれ1万円/kWアップ
補助単価は既存住宅より低めですが、新築の場合は建物自体のコストが大きい分、少しでも補助を活用して実質負担を減らしておくことが大切です。オール電化住宅では単価が1万円/kWアップします。
また、機能性PVや集合住宅の陸屋根架台への上乗せ補助は、既存住宅と同様に受けられます。
すでに太陽光発電を設置している人向け

太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業(交換希望の人向け)
太陽光パネルと一緒に設置されている「パワーコンディショナ(パワコン)」は、10〜15年で寿命を迎えます。「陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業」は、その交換費用の一部を補助してもらえる制度です。
家庭における太陽光発電導入促進事業(太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業)
対象者
対象者は、都内の住宅に既設の太陽光発電システムがあり、継続利用のためにパワコンを交換する個人、もしくは法人となります。
条件
- 都内の住宅に設置されている既存の太陽光パネルのパワコンを交換すること
- 新品(未使用品)への交換であること
- 工事完了・支払い後に申請する「事後申請」方式(事前申込は不要)
- 領収書の日付から180日以内に申請すること
注意したいのはこの制度が「事後申請」という点です。工事が終わり、支払いが完了してから申請する流れになりますが、領収書の日付から180日以内という期限があります。
工事後に忘れてしまうと申請できなくなるので、工事が終わったらすぐに手続きを進めましょう。
補助金額
- 機器費+工事費の2分の1(上限:10万円/台)
パワコンの交換費用は機種や規模によって異なりますが、一般的な家庭用では10〜20万円程度が相場です。
費用の半額、最大10万円まで補助が受けられるため、交換を検討しているなら積極的に活用したい制度です。
使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業(廃棄希望の人向け)
古くなったパネルを処分する際、適切にリサイクルすることで費用の一部が補助されます。不法投棄防止・資源循環を目的とした制度です。
対象者
対象者は、都内の住宅からパネルを取り外し、都が指定する施設でリサイクルを行う「排出事業者(解体・撤去業者など)」が対象です。
住宅オーナーが直接申請するのではなく、取り外しを依頼した業者を通じて手続きする仕組みになっています。
条件
- 都内の住宅から取り外されたパネルであること
- 東京都(クール・ネット東京)が指定する「認定リサイクル業者」へ引き渡すこと
- 撤去前後の屋根写真や産廃マニフェストなどの証拠書類が必要
- リサイクル処理完了から180日以内に申請すること
自分でリサイクル業者を探す必要はなく、撤去を依頼した業者が都の指定施設に引き渡す形になります。
ただし、撤去前後の写真や産廃マニフェスト(廃棄物の処理状況を記録する書類)の準備が必要なため、業者に事前に「この制度を使いたい」と伝えておくと安心です
補助金額
- 一律 2.5万円/kW
補助額は発電容量に応じて計算されます。4kWのシステムなら10万円が補助され、撤去・運搬・処分費用の大半をカバーできるケースもあります。
処分費用がネックで廃棄を迷っていた方には、ぜひ活用してほしい制度です。
蓄電池を導入したい人向け
家庭における蓄電池導入促進事業
太陽光パネルと蓄電池をセットで導入する場合、もしくは蓄電池だけをあとで導入したいも補助を受けることができます。
対象者
都内の住宅(戸建・集合住宅)に蓄電池を新規設置または増設する個人・法人・管理組合が対象です。
リースやPPAで機器を貸し出す事業者も、住宅使用者と共同で申請することができます。
なお、住民税や事業税などの税金を滞納していないことが共通の要件です。
条件
- 都内の住宅に新規設置または増設すること(新品のみ)
- 太陽光パネルとの併設が原則(すでに設置済み、または同時設置でもOK)
- 太陽光パネルなしの場合は、再生可能エネルギー100%電力メニューの契約が必要
- SII(環境共創イニシアチブ)に登録された製品であること
- 機器費用が20万円/kWh(税抜)以下であること
- 施工業者との契約前に事前申込が必要
この制度で特に注意したいのは「施工業者との契約前に事前申込が必須」という点です。工事後の申請は認められないため、業者と話を進める前にまずクール・ネット東京への申し込みを済ませましょう。
また、使用できる機器はSII(環境共創イニシアチブ)に登録された製品に限られるため、業者に確認しておくと安心です。
補助金額
- 基本:10万円/kWh (上限120万円/戸)
- DR実証参加:+10万円/台
- DR実証参加し、さらにIoT機器を設置する場合:+5万円/台
基本補助だけでも最大120万円と大きく、DR実証(電力需要の調整に協力するプログラム)への参加やIoT機器の設置でさらに上乗せされます。
難しそうに聞こえますが、DR実証への参加は「電気の使用量を調整することに同意する」というシンプルなものです。
蓄電池と太陽子発電の併用のメリット
太陽光パネルは光を電力に変える装置、蓄電池は電力として消費できなかった分を、貯めておくことのできる装置です。
両方をセットで導入することで、つくった電力を余すことなく活用できます。
導入費用はその分高くなりますが、補助金を活用すれば負担を大幅に抑えることが可能です。
東京都の太陽光パネルの補助金申請をした場合の費用シミュレーション

実際に補助金を使うと、どれくらいの費用になるか試算してみましょう。
資源エネルギー庁によると、2025年度の太陽光発電設備の設置費用の平均は29万円/kW(新築・既存の平均)とされています。
一般的な一戸建てでよく選ばれるシステム容量は4kWです。これで計算してみましょう。
| 項目 | 金額 |
| 設置費用(4kW × 29万円) | 116万円 |
| 東京都補助金(家庭における太陽光発電導入促進事業・既存住宅に設置の場合)3.75kW以上:10万円/kW ✕ 4kW=合計40万円) | 約ー40万円 |
| 自己負担額(目安) | 約76万円 |
これに国の補助金や区市町村の補助金が加われば、さらに実質負担を減らせます。
初期費用を抑えたい場合は「PPAモデル」も検討しよう
「補助金を使っても、まだ初期費用が気になる」という方には、PPAモデルも選択肢のひとつです。
PPAモデルとは、太陽光パネルの設置・維持管理をすべてPPA事業者が行い、発電した電気を住宅オーナーが購入する仕組みです。購入電気代は、一般的な電気会社との契約と比べて、安くなる傾向にあります。
また、契約が終了した後は太陽光パネル機器は、そのまま譲渡されるケースが多いようです。
ただし初期費用がかからない反面、設備は契約期間中は事業者のものとなります。また、基本的には20年前後の長期契約が定められており、契約期間中にほかの蓄電池など他設備の追加は認められない可能性があります。
東京都の太陽光発電・蓄電池補助金を申請する際の注意点

補助金をスムーズに受け取るために、申請前に必ず確認しておきたいポイントをまとめました。
申請期間・予算には上限がある
補助金には予算の上限があります。期間内であっても、予算に達した時点で受付が終了します。「まだ時間がある」と後回しにせず、早めの申請がおすすめです。
都の補助金制度同士は併用不可
東京都の補助金は、同じ機器に対して複数の都の制度を重複して使うことはできません。東京都の太陽光パネル設置における補助金制度は豊富ですが、活用できるのは1つに限られるため注意してください。
ただし、国の補助金や区市町村独自の補助金とは、組み合わせることが可能な場合もあります。
申し込み時期は「工事前」
蓄電池などの補助金は、施工業者との契約前に事前申込を行う必要があります。工事が終わってからでは申請できないので注意しましょう。
申請金額は正直に行うこと
キャッシュバックやポイント還元などがある場合、その金額は補助対象の経費から差し引く必要があります。実際にかかった費用を正確に申告してください。
東京都の太陽光発電・蓄電池に関する補助金の、よくある質問
最後に、東京都の太陽光発電機器設置の補助金制度について、よくある質問に回答していきます。
補助金はいつ振り込まれる?
申請後、審査を経て交付決定が通知されます。その後、実績報告書の提出と審査が完了してから振り込まれます。
補助金の申請はいつまで?
令和8年度(2026年度)の申請期間は以下のとおりです。
- 家庭における太陽光発電導入促進事業:令和8年6月30日~令和9年3月31日まで
- 東京ゼロエミ住宅普及促進事業 :令和8年4月1日〜令和9年3月31日まで
- パワーコンディショナ更新費用助成事業:令和8年6月30日~令和9年3月31日まで
- 使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業:令和5年6月1日~令和9年9月30日まで
- 家庭における蓄電池導入促進事業:令和8年6月30日開始予定
補助金の申請は誰が行うの?
制度によって異なりますが、多くの場合は住宅オーナー(申請者)がオンラインで申請します。
施工業者がサポートしてくれるケースもありますので、工事を依頼する業者に確認してみましょう。
まとめ
東京都には、太陽光発電に関してさまざまな補助金制度が用意されており、設置費用を大幅に抑えられる可能性があります。
ただし活用できる制度は、状況によって異なるため、まず自分がどのパターンに当てはまるかを確認することが大切です。
制度の詳細は年度ごとに変わることがあるため、最新情報は必ず公式サイトや担当窓口で確認するようにしてください。迷ったときは施工業者に相談するのもひとつの手です。

